させぼ四ヶ町アーケードにある婦人服のお店 ベルモードナカムラ
呉服商・朝日屋の主人朝日関太郎さんは
私の顔を見るなり、
「良く来たなぁ。まぁ、足でも洗って皆んなにあいさつをしなさい。」
と言ったきり、父と二人して奥の部屋に消えてしまった。
所在なさそうに店の片隅に立っている私に、
先ほどからジロジロと私の方を見ていた「先輩」が、
これを潮どきとばかり いろいろと用事を言いつけたのである。
私の丁稚奉公の第一日は、
かくしてその日のうちに始まった。
その夜のこと、
私は、母が作ってくれた大きな握り飯をほほばりながら、
自分の将来に対する希望と不安が、
複雑に胸中を去来するのを感じていた。
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